旬の味覚とワイン・サンマ編
八月も終わりに近づき、今日に涼しい日が続くようになりました。食いしん坊の私は、そろそろ秋に旬を迎える食材が気になり始めるところです。
日本の秋の食材といえば、王様はなんといってもマツタケでしょう。キノコ類はこれからどんどん味わいを増していきますね。
それから果物。ワインのもとになるぶどうも、これから収穫期を迎えますが、それ以外の果物も旬のものが多くなります。柿、梨、いちじく、考えただけでわくわくします。
それから海の幸。鮭、戻り鰹とお刺身に寿司に美味しいネタが目白押しですが、なんといっても庶民の味といえばサンマ。漢字で書いても「秋刀魚」というくらいですから、秋を代表する味覚でしょう。
サンマといえば、まず思いつくのは塩焼き。焼き魚にはまず日本酒、個人的には冷酒との相性がまず浮かぶところですが、ハラワタの苦味にはビールも外しがたいところです。
さてさて、そんなサンマの塩焼きにワインを合わせるとしたら、どんなワインがいいのでしょう。
まずおすすめは、ホクホクと焼きあがったサンマにキリリとした酸味のすだちやレモンを搾ることをイメージして、シャープな酸味と柑橘系の香りのある白ワインなどいかがでしょう。
たとえばリースリング。辛口に仕立てられたアルザスのものや、好みによっては少し甘いドイツワインも試してみたくなります。ドイツワインを選ぶ場合は、QbAやカビネットという表示のある、やや甘口クラスのものが食事との相性がよくなります。
ハラワタの苦味には赤ワインのほうがあわせやすいかもしれません。ただ、あまり重厚なワインだと生臭さが出てしまうかもしれませんので、比較的軽くて渋みの少ない赤を。スペインのテンプラニーリョ、イタリアのヴァルポリチェッラなどのデイリーな値段帯のものを試してみてください。
料理法に少し工夫をすることで、ワインとの相性がぐっとよくなる場合もあります。たとえば、サンマを煮付けにする場合、シンプルな和風の醤油、みりん、砂糖の組み合わせだけで済ませずに、煮上がったら熱いうちに煮汁にバターをひとかけ溶かします。そして黒コショウをパラパラ。極めつけに付け合せには、細切りにしたピーマンとキノコをバターと醤油でさっと炒めたものを。これで赤ワインとの相性がぐっとよくなるはずです。たとえばロワールのカベルネ・フラン種のワインや、ボルドーの軽めの赤ワインを合わせてみてください。
いずれにしても、食べ物とワインの組み合わせに何をよしとするかは、それぞれの味覚や好みが大きく影響します。色々と試しながら、自分にとって一番美味しい組み合わせが見つかれば、何よりですよね。このコラムから少しでもそんな組み合わせを体験するためのヒントを感じていただければと思います。